見えにくいネット証券のいいところ
そして「S」は品質、味のいい商品を責任を持って売るという明確な役割の仕組みを作り上げた。
サンドイッチの専用工場と並行する形で進んだのが、マクレーンとの連携により実現した共同配送センターの建設だった。
製造メーカーや取引先がバラバラに「S」に配送する非効率を排除し、一台のトラックの積載率を高め、なおかつきめ細かな配送体制で定時配送をも可能にした。
メーカー直送が主流の米国では、共同配送の取り組みはその成果も含めて米流通業界らの注目を集めた。
地道なS社再建を支える人物の1人として、I商事のS(現企業再生ファンドのリヴァンプ共同経営者)がいた。
Sは日米の「S」の物流や商品開発の支援メンバーとして業務をこなしていた。
物流ではタイヤの減り具合、配送ルートの違いによるガソリン消費の違い、垂直統合のチームMDによる商品開発の現場を見ていた。
大味な商社ビジネスとは比較にならないミクロの積み重ねに「小売業のおもしろさを感じた」という。
日米のSでの経験をさらに生かしたいと考え、ファーストリテイリングへの転職のきっかけとなった。
Sは一連の営業改革などにより、93年度決算では純利益が7200万ドルとなり、5期ぶりに黒字決算となった。
ただ米国の流通インフラを変えると意気込んだものの日本のSが流通業界の常識をことごとく覆したほど、順調に米国流通を変革させるまでには至っていないのは事実だ。
いろいろな事情がそれを阻んでいる。
日本の「S」に陳列している商品の99.99%は本部が推奨する商品で、そのすべてが共同配送センターを経由して店に届けられる。
だが、S社では店頭にある商品のうち本部推奨は50%程度にとどまっている。
加盟店主が地元の取引先から仕入れるのは日常的。
またポテトチップス、コーラ、ビールなどはメーカーの力が依然として強く、自らが持つ配送網を活用し、直接「S」に納入するルート・セールス体制を敷いている。
S社は共同配送の効率化を高めるためにKなどに共同配送の協力を呼びかけた。
第一弾として、97年ころからフロリダ州で共同配送にK製品を混載する実験に取り組んだ。
Kが全米で強固なシェアを獲得しているのはルート・セールスによる商品配送によるところが大きい。
それを否定する共同配送への鞍替えは自らのビジネスモデルを否定することにつながりかねない。
確かに共同配送はS向けの配送効率を高めることになったが、S向けの商品と店舗が抜け落ちてしまったKの配送トラックは、必ずしも効率的な配送体制とは言いづらい。
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